静岡県浜松市といえば、ヤマハ、鈴木自動車、うなぎで有名。
そんな浜松には、23年2月にオープンした、カップルにもファミリーにも人気の
「お好み焼きこなこな」というお店があります。
そんな本場関西の味を味わえる本格お好み焼きの人気店で、障がい者が働いている
ことを知っている人は、実は地元の人でもあまりいないとか。
「こなこな」の看板、のれんがいい感じで、テンションがあがります。 おじゃましま~す!
お伺いしたのは開店前の11時前。 開店前なので、当然お客様はまだです。
ですが、この日すでに鉄板の上にはお好み焼きが。
ご予約のお好み焼きなんだそうです。
ジュウジュウという音、香ばしい香り、立ち上る湯気。 文句なく、おいしそうです!!
お好み焼きを焼く担当は、その店の評価を決める最重要なポジション。
花形の仕事。 もちろん障がいのあるスタッフたちです。
代表の小田さんにお話をうかがいます。
実は、小田さん、こなこなを開業する前はパソコンスクールの会社の社長さんでした。
180度の大転身です。 が、今はどこから見てもお好み焼きやのおじちゃん。
(小田さんごめんなさい)。
おおつか:どうして障がいのあるスタッフとお好み焼きを?
小田さん:障がい者と一緒に働くのはかねてからの私の夢でした。お好み焼きやを選んだのは、私の出身が関西だったからです。本場のお好み焼きを浜松の方にも知っていただきたいという理由です。素人でしたので、この店を開店する前には、きちんと大阪のお好み焼きの専門学校で修業しました。
おおつか:障がいのあるスタッフはどんな仕事を?
小田さん:基本的に全部です。知的、精神、身体のいろんな障がいのスタッフがおりますので、適材適所でやっています。
仕込みも洗浄も。
オーダーも完璧にこなせます。 ものすごく自然。しかも好感が持てる素敵な接客。
そしてレジも 笑顔が素敵です。
一見さんには、スタッフの中に障がい者がいるとは全く気付かないでしょう。
<お客様から見えない場所には、いろいろマニュアルが張ってあります>
① 洗いものマニュアル
②冷蔵庫の中
③レシピ
④かたづけ これを見ながらやれば間違いはありません。
小田さん:最初のころはもっとたくさん張ってありました(笑)だいぶ減ったんですよ。
おおつか:障がいのあるスタッフと働いて、最も予想外だったことは何ですか?
小田さん:精神障がいのあるスタッフが予想より欠勤しなかったこと、退職しなかったことです。
おおつか:もっと欠勤が多いと思っていた?
小田さん:福祉関係の知人たちからはそのように言われてましたので。
おおつか:なんで欠勤率が低いのでしょうか?ぜんぶお客様から見える場所でのお仕事はけっこうなストレスですよね。
小田さん:ストレスはけっこうあると思います。でも休まない。
「期待されている」「責任がある仕事」ということが理由のように思います。
おおつか:それ以外の予想外は?
小田さん:思う以上に仕事を頑張ってくれていると。でもこれは予想通り、期待通りです。
ちなみに、おおつかが注文したお好み焼きは「もちーず明太子」。
スタッフの焼いてくれたお好み焼きを、テーブルの鉄板の上でアツアツのまま頂くのです。
(自分でソースとマヨネーズをかけたので、ちょっとカッコ悪いですけど、味は抜群)
ソース、青のり、鰹節粉など、お好み焼きに欠かせないトッピング。
ちなみに神戸のソースメーカーから直接仕入れている特製のものだそう。
ピリ辛ソースがものすごく美味。
~おおつかのひとりごと~
小田さんとのご縁は今から9年前。知的障がい者の親として地域で活動に参加するうち、「障がい者雇用を作る」という夢に出会ったそう。夢を抱く人は多いが、実現させる人は多くない。小田さんは、当時FVPで主催する福祉起業家経営塾の2期生として、浜松から計10回のセミナーのため毎回新幹線で通ってこられた。その当時抱いていた夢が、セミナーで計画となり、その後に現実になった。9年たってお店にうかがい、障がい者と働く小田さんに再会し、念願のお好み焼きを食べることができた。11名の障がいのあるスタッフが地域で働き、地域で暮らしていく拠点を作られた小田さんの情熱の味のするお好み焼きの味だった。
訪問先データ
店舗名:お好み焼き こなこな
障害者:身体、知的、精神障がい 11名
所在地:静岡県浜松市中区早出町1025-1
事業内容:飲食店、就労継続支援A型
電話番号053-545-5701
ホームページ: http://kona-kona.com/
運営法人:NPO地域生活応援団あくしす
http://www.npo-axis.com/