こちらがオフィスの入居するビルです。青山骨董通りにあります。
親会社はマンション管理会社の大和ライフネクスト。
2006年に人事部内に設置された「ダイバーシティ推進室」が始まりだそうです。
社長の石﨑さんです。親会社の大和ライフネクストの取締役もなさっています。
おおつか:2011年3月の特例子会社認定ですね。どういう経緯で会社を設立されたのでしょうか。
石﨑さん:弊社はマンション・ビル等の不動産総合管理業です。全従業員の3分の2は管理人のため、比較的高齢で、自然と障がいのある人もいて、特別の努力をしなくともある程度障がい者雇用はできていました。
おおつか:それがどうして特例子会社を?
石﨑さん:その前にいろいろとあったのです(笑)。
2006年ごろです。ハローワークの雇用率達成指導を受けました。
おおつか:厳しい指導があったのですね(笑)。
石﨑さん:はい(笑)。採用する気がなかったわけではないので、本格的に雇用の拡大を目指し始めました。
石﨑さん:当時、人事部にはダイバーシティ推進室がありました。障がいのある人もない人も一緒に働ける環境が良いと思って、何名か採用して、他の部署の社員と混ざって仕事をしてもらうような試みをしました。
ですが、多くの課題が出てきて、定着もなかなか進まない。だって障がい者の採用やマネジメントのノウハウは全くなかったわけですから。
おおつか:それでどうされたのですか?
石﨑さん:再度チャレンジしました。バラバラに部署に派遣するのではなく、ダイバーシティ推進室で他部署の仕事を一括集中方式で請け負うというやり方に変えたのです。そうしたら軌道に乗ってきたのです。
おおつか:ふむふむ。
おおつか:でも「軌道にのった」のであれば、わざわざ特例子会社にする理由はあまりないのでは?
石﨑さん:障がい者従業員の雇用の安定を考えると「正社員」という処遇をつくるべきだと思いました。
そのことによって会社に対するロイヤルティも高まると。
おおつか:おお!人事の王道って感じで素敵です。
石﨑さん:幸いにも私は親会社の人事担当の役員だったので、進められたのだと思います。
親会社の管理するビルやマンションの「竣工図(建物が竣工した時に作成する図面)」を超高級スキャナーを使い、デジタルデータに変換します。
これは、スキャンをする前に、しわがないかを確認する作業です。
1日1000枚くらいはスキャンするのだそうです。親会社だけでなく、外部の企業からも受託しているものもあるのだとか。
部長の鈴木信也さん。現場のマネジメントを担当していらっしゃいます。
みんなからは「鈴木部長」ではなく、ラストネームの「信也さん」と呼ばれておられました。
おおつか:マネジメントをいかす「コツ」は何でしょう?
鈴木さん:コツはあまりありません(笑)。障がいがあってもなくてもマネジメントの原理原則は同じだなあと思います。目標、期待、フィードバック、仲間同士のコミュニケーションをベーシックに続けているだけです。もちろん、配慮はしますよ。毎週相談員会議で課題を検討します。どうやったらよいかということはとことん話し合ってますし、本人にもフィードバックしています。
おおつか:採用基準はどのように?
鈴木さん:あえて言えば「周りが何とかしてくれる」という意識の少ない人を採用しているかな。
おおつか:どうやってそれを見極めるのですか?
石﨑さん、鈴木さん:今は(見れば)わかりますよ(笑)。最初のころいっぱい失敗しましたから。
おおつか:ビジョンをお聞かせください。
石﨑さん:雇用する人の対象を障がい者以外にも広げたいです。具体的にはシングルマザー、若年層、高齢者などで就労意欲があっても課題を抱えた人達です。今は事情があって働けてないけど、能力や可能性を持った人達。スタートラインが「ダイバーシティ推進室」なので、障がい者だけにとどまらずにやれたと思います。
おおつか:ぜひ実現させてください。
~おおつかのひとりごと~
おおつか的に、気持ちよく本気度を感じる特例子会社でした。温度が高いっていうか、
モチベーションが高いっていうか、受け身じゃないって言うか。
なんでこんなにズバズバカッコイイ感じなの?と思ったらば、
設立メンバーの みなさんはリクルートのDNAを持った方々でした。納得です(*^^)v
ちなみに、おおつかの住んでるマンションは、親会社の大和ライフネクストさんに
管理していただいているのでした(余談)。
訪問先データ
会社名:大和ライフプラス株式会社
所在地:東京都南青山6-3-9
電話番号:03-5774-2591
従業員:27名(うち障がい者24名 身体、知的、精神)
http://www.daiwalifenext.co.jp/plus/