3年で100人の障害者雇用が目標。貧欲にビジネスチャンスを追求していきます
東京グリーンシステムズ株式会社(以下「tgs」といいます)は、株式会社CSKと東京都、多摩市との第3セクター方式による特例子会社です。今回おじゃましたのは、今年(2007年)6月に多摩市永山から移転した多摩市山王下の新社屋。年間1万5千鉢の胡蝶蘭の自社栽培を開始されました。本社屋に隣接する形で胡蝶蘭の直売ショップもオープン。地域にお住まいの方もたくさん来店されています。オフィスも素敵、働いているスタッフの方も素敵でした。tgsは、その会社名からも想像されるとおり、グリーンビジネスは得意分野です。ただ、それ以外の事業も実に多種多彩です。福祉起業を目指す皆様は『事業アイディア』が見つかるかも。
じゃーん。本社屋全景。広いです。
栽培している胡蝶蘭のガラスハウスです
こちらは、オフィスです。
お話をうかがった取締役CSR室長の長谷川伸治さんです。
おおつか:何人の従業員さんが働いていらっしゃるんですか?
長谷川さん:tgs全体では103人ですが、うち63人が障害のあるスタッフです。多摩センターオフィスでは63人が勤務、うち障がい者の勤務人数は、38人です。それ以外では、親会社であるCSKのオフィスビルのある青山や新宿で売店の運営やメール仕分けなどをやっています。障害種別や程度は多種多様です。身体、知的、精神の3障害のスタッフが働いています。
おおつか:こちらの多摩センターオフィスではどんな事業をやっていらっしゃいますか?
長谷川さん:胡蝶蘭の温室栽培などのグリーンビジネス、庭・農園管理、清掃、ホームページ製作、名刺作成などです。
おおつか:なるほど。障害種別ごとに仕事を変えていらっしゃるんですか?
長谷川さん:いえ違います。仕事として「これはビジネスになるかどうか」という発想で組み立てて、その中で適性や能力によって配置します。障害種別ごとに仕事があるのではなく、それぞれの部門で3障害の人たちが働いています。
おおつか:それにしても、東京で蘭を栽培するというのはすごいことですよね。国産の花はどうしても東南アジアなどの輸入ものとの価格競争がありますよね。しかもそれも東京でおやりになっているなんて!すごい!
長谷川さん:胡蝶蘭は苗から育成して鉢植えの完成品まで仕上げています。これをグループ会社を含めた法人の需要に向けて営業展開しています。ここ多摩市と千葉県印西市で大規模に栽培に取り組むことで事業として採算ラインに乗せていきたいと考えています。新鮮な胡蝶蘭を皆様にもぜひご利用いただきたい思います(詳細はホームページをご覧ください)。
おおつか:長谷川さんは会社設立当初からでしたよね。
長谷川さん:そうです。最初20人くらいの採用から始めました。今はさっき言った通り63人です。事業を作っていくのに合わせて採用も増やしてきました。
―障がい者スタッフの吉川さんにお話を伺いました―
吉川さん:働きはじめて3ヶ月目です。
おおつか:吉川さんの担当のファシリティーサポート部門のスタッフのローテーション管理というのは、どんなお仕事ですか。
吉川さん: 農園・庭園管理や清掃業務の中で、障害のあるスタッフが持てる力を十分発揮できるように、納期や生産性を考えながら業務スケジュールやローテーションを組む仕事です。うまくいくと今までできなかった仕事ができるようになったりします。とてもやりがいを感じています。
おおつか:tgsでの仕事は楽しいですか?
吉川さん:私は弱視という障害を持っていますが、今まで一般採用で働いていて、苦労することも多かった。ここでは、障害のある人もない人も一緒に働いていてそれがとても自然なことに感じられました。「障害があるからできない」ではなく、努力次第で評価される。自分の力を最大限発揮できるような環境が作られていると感じました。
長谷川さん:彼はこれまでの豊富な経験を通じて、いろいろな可能性を持っていると思うので、もっともっといろんな仕事にチャレンジをしてもらいたいと考えています。
~おおつかのひとりごと~
おおつか:tgsの今後のビジョンを教えてください。
長谷川さん:tgsでは4つの「ともに」というビジネスコンセプトがあります。「障がい者とともに、社員とともに、地域とともに、自然とともに」です。このビジネスコンセプトに沿ったものであれば既成概念にとらわれずに、貪欲に新しい事業にチャレンジしていきたいと思っています。3年後には、100人の障がい者を雇用していたい。そんな目標を掲げています。
訪問先データ
会社名:東京グリーンシステムズ株式会社
所在地:〒206-0042 東京都多摩市山王下2-3 SCSK多摩センター EAST
電話番号:042-310-1261
東京グリーンシステムズ株式会社
http://www.tgs.co.jp/index.html