障がい者雇用事例/おおつかがゆく!

音楽が聴けて、杜の都仙台の古いお屋敷町・長町に誕生した「遊楽庵・びすた~り」

特定非営利活動法人 ほっぷ【宮城県・仙台市】
理事長 白木   福次郎  さん

このレストラン経営しているNPO法人ほっぷの白木福次郎さんにインタビューしました。ランチタイムです。 ご近所の主婦の皆様が続々と自転車でご来店です。55席はあっという間に満席に。

柱と梁を残して古民家を全面改装したというこのレストラン。しっくいの壁がイタリア風の家具と見事にマッチしています。働く方は17名。知的障害の方と高次脳機能障害の方です。
おおつか:続々とお客様がいらっしゃていますね!!
白木さん:おかげさまで今年8月のオープン以来満席の状態です。ランチタイムは1回転を採算ラインに設定していましたが、現在1.5回転しています。地域の主婦 やOLの方など圧倒的に女性の方が多いです。

<店内の様子です。和とイタリアンが絶妙にミックス。おしゃれで癒される空間です>

おおつか:私も女性の1人として気持ちがよくわかります。本能的に「このお店好き!」と感じます。お客様の表情を見ても、障がい者が働いているから利用しているのではなく、気に入ったレストランを見つけたから利用しているという感じですね。
白木さん:その通りです。障がい者が働いているということはどこにも書いていません。書く気もありません。

おおつか:どのようなきっかけで福祉の世界のお仕事をお始めになったのですか?
白木さん:私自身は現在も事務機器の会社を経営しています。
障がい者とのかかわりは1995年、ボランティアとして参加したスペシャルオリンピックスの活動がはじまりです。だんだんとのめり込んでいきました(笑)。
そして2008年2月、企業関係者が集まってNPO法人ほっぷを設立しました。障がい者の就労を企業の立場から支援していきたいという趣旨です。最初に立ち上げたのは就労支援センターです。そして次の事業がレストラン「びすた~り」というわけです。

おおつか:企業関係者の英知が結集してるんですね。
白木さん:デザイン、内外装、家具、音響、メニュー、オペレーションのすべてにおいて、専門家が関わっています。毎週毎週ミーティングを積み重ねて作り上げて言ったのです。
<色鮮やかなタイルがお店を飾っています。>

おおつか:開店するまでにどのくらいの期間がかかったのですか?
白木さん:4年かかりました。
コンセプトは早くまとまりましたが、物件が見つからない。
障がい者が働くということを理解してもらえずいい線までいって断られたことが3回ありました。
でもその時間があったことでこのすばらしい物件に めぐり合えたと今は思っています。

<おおつかが頂いた三陸のさんまの香草焼きランチ。
850円なり。おいしかった!>

<キッチンの様子です。忙しそう!>

 <この店舗の大家さんと談笑する白木さん>
「これだけ繁盛してたら、サクラをやらなくてよさそうだねえ~(笑)」(大家さん談)借り手が見つからなければ取り壊す予定だったとか。大家さん、本当にうれしそうです。

おおつか:コンサートのできるレストランなのですよね。
白木さん:音響設備にも結構お金をかけました。仙台で毎年6月に開催される「とっておきの音楽祭」を11月にこの長町でもやろうということになっています。長町の町おこしをバリアフリーのコンサートで盛り上げようという企画です。

おおつか:今後のビジョンを教えてください。
白木さん:次の事業も計画しているんですよ。
子育て中のお母さんたちを元気にするカフェベーカリーで障がい者の働く場を作りたいと思っています。今度のターゲットはお母さんたちです(笑)。 障がい者が働いて遊ぶことが普通になるように。あれもやりたい、これもやりたい。楽しくてしようがありません。
<右からびすた~り代表の菊田さん、真ん中、白木さん、おおつか>

~おおつかのひとりごと~

これなんです!!思わず叫んでしまいそうになりました。地域の中に溶け込んでいるレストラン。そこに障がい者が普通に働いている。企業関係者たちの智慧が結集したびすた~りはどこまでも快適で、美味で、障害のある人もない人もイキイキと働いている。理想とする福祉起業レストランは仙台にすでに存在していました。みなさん!「仙台を訪れたら必ず行くべし」です。

訪問先データ

ショップ名:長町遊楽庵「びすた~り」
住所:宮城県仙台市太白区長町3-7-1
TEL:022-352-7651
長町遊楽庵「びすた~り」
URL:http://www.bistari-nagamachi.com/

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