首都圏等の西友の店舗で販売されている鶏肉は、障がい者の方が包装加工をやっている!親会社からの委託業務のみに依存することなく、外部からも積極的に仕事を受注!「自立」の精神が随所に息づいています。今回は現社長の鍵和田幹夫さん、そして今回特別に、創業時の設立メンバーのひとりである小野博也さん(現「埼玉県障害者雇用サポートセンター」センター長)にも同席いただきました。西友サービスの設立時の思い、そして今についての根掘り葉掘りのインタビューとなりました。
現社長 鍵和田幹夫さんです。 2008年の春から着任されています。すばらしい笑顔!
設立時のメンバー 小野博也さん。現在「埼玉県障害者雇用サポートセンター」センター長として埼玉県の障がい者雇用の支援をなさっていらっしゃいます。
鍵和田さん:こちらが畜産プロセッシングセンターです。主に鶏肉の盛り付け作業を行なっています。障がい者雇用を始めるにあたって一番最初に手がけた事業です。20名の知的障がい者と4名の健常者が仕事をしています。
小野さん:知的障がい者の職域が未開拓であった当時、試行錯誤で始めたものです。いわゆる繰り返しの作業を得意とする社員達にはぴったりでした。加工した食肉は首都圏を中心とする店舗へ配送されています。当然ですが、仕事は正確性とスピードが要求されます。
おおつか:いつも近所の西友で買わせていただいている鶏肉はここで加工されたものだったのですね!感動!
<広告制作部門です。>
西友本部からお店に出される日報や社内報、全社員の名刺などを一手に引き受けています。
<クリーニング部門です。>
鍵和田さん:食品関連のユニフォームのクリーニング、抗菌ふきんの製造販売をやっています。西友グループからの仕事は4割足らず。近隣の食品工場など十数社から受注しています。
おおつか:営業をやってらっしゃるんですか?
鍵和田さん:そうです。現場のマネージャーが営業に回るんです。仕事が増えたので、近々洗濯機・乾燥機を増設する予定です。
おおつか:すごい!
<社内メール便部門です。>
西友グループ約380店舗と本部間の書類や連絡文書の仕分け、配送部門からの受け渡しと引渡しを一手にやっています。
<用度品ピッキングの仕事です。>
西友のお店で使う伝票や文房具などの管理とお店からの発注を受けてピッキングと発送をしています。
<事務代行部門です。>
西友グループの4万人の従業員の人事給与事務、社会保険手続きを受託しています。社員の皆さんが安心して生活していけるようなサポートをしています。
<健康管理部門です。>
ケアマネージャーの資格をもつ視覚障害者がマッサージ、鍼灸治療を市価の1/3の料金で提供しています。ここは採算度外視、いわゆる福利厚生的なセクションですね。
おおつか:ひとりひとりの従業員の方が、仕事に誇りをもっていらっしゃることがよく分かりました。
小野さん:西友サービスの経営理念である「自立」には2つの意味があります。障がい者の職業的・社会的自立、そして会社としての経営的自立、これを両立させることがミッションなのです。
鍵和田さん:「自立」という理念があるお陰で、今何をすべきか、どんな行動を取るべきかという判断基準が明確です。グループ外の仕事を積極的に受注していくこと、障害のあるなしに関わらずに従業員の成長の機会を提供することなど。これは障がい者の仕事、これは健常者の仕事という分け隔てもありません。特例子会社だからという甘えも存在していません。
~おおつかのひとりごと~
普段利用する西友の店舗で買う鶏肉は、川越の加工センターからやってきていた。しかもそれらは知的障がい者の方の手によって加工されていた!そして職場のムードは大変すばらしい。障害のある方もない方も一緒に働いているというあたりまえの風景。ですがなかなか作れない風景。感動しました。
訪問先データ
会社名:株式会社西友サービス
代表取締役:鍵和田幹夫
従業員:103名
(うち障がい者65名 知的、身体、精神)
所在地:埼玉県川越市宮元町23-1川越食品流通センター内
TEL:049-227-1450
西友 URL:http://www.seiyu.co.jp/