発達障がい児に対する特別支援教育で有名な翔和学園。
その翔和学園に、あらたに学習クラブが誕生しました。しかも高校生まで受け入れ可能。放課後の学習や遊びの支援をしています。
そしてもちろん、この学園を卒業したスタッフが大活躍!
障がいのあるスタッフもないスタッフも皆でクラブを盛り上げています。
クラブの責任者である佐藤貴紀さんは、福祉起業家経営塾の卒塾生。
ワクワクしながらお訪ねしました。
丸の内線中野坂上駅から徒歩0分の距離に、翔和学園はあります。
発達障がい、人間関係やコミュニケーションに不安のある学生など、支援を必要とする若者たちが社会的自立をめざすための学校として、1999年に設立されました。
発達障がいのある子どもを対象に、小中学部から大学部までの一貫した特別支援教育が実施されています。
放課後の教室が、学習クラブになります。
翔和学園の卒業生たちが「ピアスタッフ」として子どもたちとメインの関わりを持ちます。
取材したこの日は「クッキング」。パンづくりを一緒に楽しんでいます。
記念撮影をしました。2列目左端が佐藤貴紀さん。
おおつか:卒業生スタッフも学習クラブの子どもたちも、ものすごくイキイキしていますね。
佐藤さん:親近感が違う感じです。卒業生スタッフたちは、心のバリアをまったく持たずまたたく間に子どもたちの心を捉まえてしまいます。すばらしい才能です。
おおつか:すごい!
おおつか:どうしてこの事業を始めたのですか?
佐藤さん:卒業生の就労の場の確保というのは、我々学園の永年の課題でした。もちろん就労先を見つけていく努力は惜しみません。やってもやってもまだまだ就労先は足りない。であれば、平行して「自分たちでも卒業生の働く場をつくらねばならない」と。
おおつか:福祉起業家経営塾においでになったときには、すでに「卒業生による発達障がいをもつ子どものための学習クラブ」のビジネスアイディアがありましたね。
佐藤さん:実は、ありとあらゆるビジネスを研究してきました。レストラン、パン屋などを本気で検討した時期もありました。けれども、良く考えてみると答えは簡単でした。我々は教育をずっとやってきたわけです。生かせる資源は「教室」「卒業生」「発達障がい児の教育ノウハウ」。これらを生かして雇用の場をつくるのが最適だったのです。
おおつか:なるほど。
おおつか:事業として立ち上げてやっていける自信は最初からありましたか?
佐藤さん:顕在的、潜在的ニーズは確実にあると感じていました。翔和学園の生徒さんの保護者の方にもヒアリングしてみました。
おおつか:実際やってみてどうですか?
佐藤さん:思ったとおりでした。順調に登録者数も増えています。子どもたち本人からもお母様たちからもものすごく喜ばれています。卒業生スタッフたちもからもたくさん提案が出てきます。仕事を通して彼ら自身も成長していることを実感する日々です。
おおつか:今後もビジョンを教えてください。
佐藤さん:もっとたくさんの卒業生(ピアスタッフ)を雇用したいです。そのためには移転も選択肢です。そして、この勢いで彼らが成長していけば、いずれ運営も任せられるようになることを願ってます。
~おおつかのひとりごと~
「僕らが思った以上に彼ら(卒業生)は見事にやってくれている。彼らはもっともっと活躍できる」と佐藤さん。
あたたかいまなざしの奥には、強い強い福祉起業スピリットが燃えています。
福祉起業家経営塾の卒塾生たちが作っていく障がい者の働く場。着実に広がっています。
訪問先データ
NPO法人翔和学園 学習クラブ
障がい者雇用数:1名(他実習生1名)
所在地:東京都中野区中央1-38-1
アクロスシティ中野坂上ビル2F
TEL:03(5338)6005
URL:http://www.showa-gakuen.net/t_club/
卒業生スタッフによるブログ:http://ameblo.jp/showaclub