トーマツチャレンジドは2006年の設立。芝浦オフィスがスタートです。そこでの障がい者の働きぶりが社内でどんどん評判を呼び、丸の内、八重洲、福岡、名古屋といった具合に全国に働く場が広がっています。集中管理型の特例子会社が多い中、全国各地で障がい者の働く場が広がっていくという取り組みは実にユニークです。
今回お邪魔したのは八重洲のオフィス。パシフィックセンチュリープレイス丸の内ビル。なんと、フォーシーズンズホテルと同じ建物です。
早速、仕事場へ案内していただきました。
契約書受付業務です。
クライアントとの間に交わす契約書の確認、発送、契約書管理台帳の作成、担当者への連絡という業務も行っています。大変高い評価を得ています。
玉栄さん:監査法人という業種柄、機密保持に対する意識がとても高く、書類紛失などを心配する意見もありました。
けれどもやってみたら想像以上に彼らはよい仕事をしてくれた。ということでどんどん依頼が入ってきました。
イレギュラーを許さないという彼ら(障がい者従業員)の特性がよく発揮されたと思います。
PCのセットアップ業務です。
公認会計士さんたちが使うPCのセットアップを一手に引き受けています。
ここは親会社フロアの一角、PCサポートの部署。
特別な場所が用意されているわけではありません。感動!
パントリーの仕事です。
各フロアにあるリフレッシュコーナーで、コーヒーやお茶などの補充を行います。1人で2フロアを担当します。
監査法人のほとんどのスタッフはこのスペースを利用します。当然障がい者従業員の仕事ぶりを見ることになるわけです。
メール室です。
郵便物などを部署別、担当者別に仕分けをして、届ける仕事です。
こちらの部屋では会計監査業務に必要な「確認状」の開封などのスポット業務や、帰りの会を行います。
これは多肉植物。市川の園芸部門で生産したものを月1回本社で販売するのです。
すぐに売り切れることもあるそうです。
おおつか:どうしてこんなにうまく行っているのでしょう。
玉栄さん:トップが仕事ぶりや必要性をよく理解してくれ、社内に様々な働きかけをしてくれます。監査法人という組織特性も幸いしているのではないでしょうか。ピラミッド組織でないため、あまりぎくしゃくした雰囲気がないようです。他のスタッフに対して優しい人が多い。
おおつか:ハード的にも心理的にもいわゆる特例子会社という仕切りがまったくありませんね。
玉栄さん:とけこんでいますでしょ。「障がい者従業員の存在や仕事ぶりを知ってもらう努力」を意識的に行いました。ひとつの場所に集中的に集めてマネジメントするのではなく、社内のあちらこちらを「うろうろ」してもらいました。
エプロンを身に着けて仕事をしてもらうことで「障害のあるスタッフも一緒に働いています」と気付かせるようにしました。
今では、監査法人のスタッフと障がい者スタッフで一緒にランチに出かけることもあるんです。ここまで溶け込んで働けるようになるとは思いませんでした。
おおつか:教育面で力を入れていることはありますか。
玉栄さん:マナー研修を月1回実施しています。エレベータの乗り方もトレーニングしました。あいさつや報告、仕事の評価などの表彰制度も行っています。月1回一人ひとりの面談をかならず実施します。
~おおつかのひとりごと~
親会社の中のデスクの一角が作業スペース。オフィス内を練り歩く仕事をする。親会社のすべてのスタッフが必ず利用するスペースで仕事をする。いたるところに感動させられました。
実に楽しそうに仕事をしておられる。特例子会社のニューエイジ(こういう呼び方はないけど)に元気を頂きました。
訪問先データ
会社概要
会社名:トーマツチャレンジド株式会社 八重洲オフィス
障がい者雇用数: 59名 (全オフィス合計 2010年8月末時点)
所在地:東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス 丸の内ビル
TEL:03(6213)1130
http://www.tohmatsu.com/view/ja_JP/jp/companies/challenged/index.htm