おおつか:特例子会社の認定1年目とうかがいました。
名児耶さん:2013年5月の認定です。
おおつか:特例子会社の設立を決めたのは?
名児耶さん:2013年の1月ですから、超スピードです。
名児耶さん:わが社は、「パレットプラザ」「55ステーション」というプリントサービスの店舗がメインです。全スタッフのうち95%が店舗で働いています。
おおつか:なるほど。
名児耶さん:もともと店舗にはスタッフが1名から2名しかいません。ですから店舗に障がい者を配置するのはものすごく難しい。
おおつか:だから特例子会社で雇用を進めようとされたんですね。
名児耶さん:そうです。
おおつか:特例子会社で手掛ける業務のイメージは?
名児耶さん:外注していて内製化できる業務、中長期的に利益を生み出す業務を検討しました。
おおつか:それで?
名児耶さん:設立時に、メイン業務として考えたのが「おもいで玉手箱」と呼ばれるアナログ・デジタル変換+クラウド保管サービスの中の、ネガフィルムのデジタル化する仕事です。
おおつか:面白そう。
名児耶さん:昔の写真のネガフィルムをスキャンしてデジタル化していく作業です。
判断の必要なポイントはあるのですが定型化しやすい仕事だと思ったからです。
おおつか:ふむふむ。着眼点が鋭いですね。
名児耶さん:でも今のメイン業務は違うんですよ(笑)
おおつか:あ、そうですか(笑)
名児耶さん:当社のプリントショップの店頭で販売される「デザインアルバム」のセッティングの仕事がメインなんです。
おおつか:デザインアルバム?
名児耶さん:これです。
おおつか:かわいい!!
※デザインアルバム:シーンや季節に合わせて好みの写真などを入れ込むオリジナルのフォトアルバムのこと
名児耶さん:季節やシーンに合わせて、1300種類ものデザインがあるのです。このセッティング作業を一手に引き受けているんですよ。
おおつか:プラザクリエイトさんの店舗で売られる「デザインアルバム」の全て、ですか?
名児耶さん:そうです。
おおつか:これが「中長期的な視点で利益を生み出す業務」ですね。
名児耶さん:そうです。外注していた業務なのですが、工程も煩雑で、工賃の値上げ要請も厳しくて。だったら特例子会社の業務にすれば、コストダウンも図れるというわけです。
仕事風景です。
こちらが、設立当初からの仕事、おもいで玉手箱のネガフィルムのスキャニング作業。
世界にひとつしかない、思い出の詰まった大切なガフィルムをお預かりするので、気を使う仕事です。
そして、いまのメインの業務、「デザインアルバム」の「材料(部材)」たち。 1300種類、多品種とはまさにこのことです。
指示書によって、障がい者スタッフ自身がピッキングし、自身の作業スペースでセッティングします。
セッティングが終わると、検品コーナーに納品します。 黙々とお仕事は続きます。
「デザインアルバム」が置かれている店舗(パレットプラザ)。 当社のプリントショップで取り扱うすべてのデザインアルバムをプラザクリエイトスタッフサービスでセッティングしています。
おおつか:設立1年目の特例子会社にはとても思えないです。
名児耶さん:ありがとうございます!最初は何もわからず、わからな過ぎて不安でした。やってみたら不安のほとんどは取り越し苦労でした。
おおつか:うんうん。
名児耶さん:障がい者はすべての部分において障がいがあるのではない。その瞬間だけを切り取ったら健常者の方が早くて上手なこともあるけれど、続けていく力においては叶わないこともありました。結果として健常者を上回る作業量になっている。
おおつか:うんうん。
名児耶さん:「デザインアルバム」の取り扱いは、現在都内を中心に17店舗です。今後全国展開も予定されています。グループの事業展開に直接貢献できるようになる。そのためにももっともっと全員でスキルを磨いて行こうと思っています。
おおつか:それは楽しみ!がんばってください!
~おおつかのひとりごと~
親会社の展開する「パレットプラザ」、この店舗に置かれる全ての「デザインアルバム」のセッティングを特例子会社で担う。親会社の事業や利益と直結する仕事。まさに特例子会社の職域の王道、正道、あるべき姿だと思います。1年後、2年後とかにまたお邪魔してみたい会社の一つです。
訪問先データ
株式会社プラザクリエイトスタッフサービス
東京都葛飾区白鳥2-19-5
障がい者雇用数:11名(知的、精神、身体)
http://plazacreate-ss.co.jp/